長谷川正徳のちょっといい話

第76話 舌

舌 挿絵

 私共の身体は頭から足の先まで、すべて大切で、眼耳鼻舌身意を六根と申します。その中でも体を活かすには舌が一番大切な働きをしています。毎日いただく食物を歯がかみくだき、それを舌が食道へ入れてくれます。

 舌がなければ食べれません。舌は生命の根元です。私共は毎日言葉を話して意志の疎通につとめています。その言葉をしゃべるのは舌です。

 舌がなければしゃべれません。舌は文化の本元です。舌をかみ切ると息がつまってたちまち死んでしまいます。舌は精神の根本、喉仏です。

 舌は無心に活動してくれます。人間が舌の有難さを感じた時、仏法がわかりはじめるのだと思います。「人身得ること難し」と真に感じた時、最勝の善身という自覚が湧き、何を食べ、何を語り、どう生きるかを求め行ずることが仏道を歩むことにつながるのだと信じます。

前の法話
長谷川正徳のちょっといい話 法話一覧に戻る
法話図書館トップに戻る