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第5話  「おかげ」話のカラクリ


挿し絵    リクエストをいただいたので、「おかげ」でいきます(ウレシイ……)。

   私たちは、色々な人や物から色々な影響を受けてますよね。仏教では縁とも言いますけど。

   さて、この影響(縁)のうち、今の自分に良い影響のことを、私たちの先祖は「おかげ」という言葉で表現してきました。
   この「今の自分にとって」というのが重要度★★★★★くらいすごいことなんだ、と最近思っています。

   「私はいま幸せなんだ」⇒どうしてだ?⇒「そりゃ、こういう良い縁(影響)があったからだ」という理論的(?)カラクリがあります。逆から言えば、「おかげ」を意識すると、それが「な〜んだ、私って幸せなんだ」と現在進行形の私の状態に、気がつけるということです。

   これに気がついて欲しので、お坊さんたちは、もう皆さんが耳にタコができるくらい「おかげ」の話を、手を変え、品を代えてするんです(このコーナーだって、「おかげ」だけで百回はいけますよ。きっと……)。

   何が起こるか分からないのが世の常です。
   特に親しい方が急逝された時に、時間がたってから無理にさし上げる「言いたい放題写仏」にこんな言葉があります。

人は「まさか!」という坂をなかなか越えられません。
でも、そんな時には自分の足元の「おかげ」という影を追っていくんです。
そうすると「まさか」が越えられます。
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