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第28話  神田正輝さんと昭和新山


挿し絵   テレビ番組に、有名人の旅モノがありますよね。かなり前に神田正輝さんが北海道の昭和新山を登る番組がありました。昭和18年からとつぜん畑に出現し、2年かけて標高407mに成長した火山です。
まだ水蒸気をあげ、溶岩の熱気を残しているこの火山に、息をはずませて登り、頂上についた神田さんは、番組の最後で次のようなことを言いました。

  「この山を歩いて登ってみると、こんな山をつくりだした自然のエネルギーのすごさと、人間の小ささを感じますね」

  私はテレビに向かって独りごとは言わないんですが、この時ばかりは画面の神田さんに言いました。

  「違うよ、神田さん。その山を出現させたエネルギーと、同じエネルギーがあなたの中にもあるんだよ」

  頼んでもいないのに死ぬまで脈打つ心臓の筋肉。酸素が23%しかない空気(75%が窒素です)を吸いながら、その酸素だけを吸収してくれる肺機能。40億年の生物進化の過程をお母さんのお腹の中で、たった40週でこなしてきた私たち。食べるだけで、24時間、体温を35、6度に保ってくれる働き――驚きに満ちてますよ。すごいぞ!人間!

  さて、次回は森さんからのリクエスト「誕生日」でいきます。バースデイプレゼントをねだられている人、必読の回であります。
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