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第39話  神の国の国境


挿し絵   今回は、ずいぶん前に佐賀の蒼龍林さんからいただいていたお題です。
どの宗教でも他の宗教を勧めるものはない、自分の教えが絶対と思っている……一体、それぞれの神や仏の世界ではどういうことになっているんだろう、という疑問からのお題です。

  申し訳ないんですが、今の私にはこの問題を楽しく書ける力がないので、大正大学の加藤精一先生(お坊さんです)の文章を引用させていただいて、次週につなぎます。

――いまから約2500年も前にインドに出生されたお釈迦さま(釈尊)は、当時のインドの内部抗争の原因が神話の神にあることをいち早く気付いて、そうした神話を棄てて、限り無く高い人格に帰依していく道を示されました。これが仏教なのです。ですから釈尊は、神話の神から人々の心を開放してくれた、いわばルネッサンスの旗手なのです。――中略――神話を持たない仏教は、他の神を信じる必要もありませんし、他の神を否定する必要もありません。異なった宗教を信じながらお互いに理解し合って平和に過ごすことができるのです。この生き方は、寛容の精神とも呼ばれ、わが国の聖徳太子の「和の精神」に引き継がれ、弘法大師の「マンダラ思想」に続いていると思われます。正しい仏教は、このように、異文化や他宗教を深く理解する平和主義を内包しているのであります。――
真言宗豊山派季刊誌『光明』142号より

そこで次回はこの続きで「悟りの岸に渡るには……」を、私的軽いノリでいきます。
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