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第48話  引導を渡してやる!


挿し絵  さて、待ちに待ってたリクエストがきたので、今月はそれにお応えしてまいります。
まずは白雪さんからの"引導を渡してやる!"です。

 この言葉は「誘引化導」の略で、もともとは「仏の道へ誘い、引き込み、導いて、いい人に変化させる」ということ(おお、なんだか科学反応みたいだ……)。つまり仏の教えを聞かせたり、教えたり、それを紙に書いて渡したりすること。
20代の頃はお葬式で引導を渡すことに自信が持てなかった……本当に私が引導を渡して成仏してくれるんだろうかって(故人や遺族のほうがもっと不安だったに違いありません……)。
そしたら先輩が言ってくれました。
「そんなんじゃ駄目だ。自信を持て。お前が成仏させるなんて考えなくていいんだよ。お前が渡した"仏の教え"によって成仏するんだから、お前は何も心配はいらないんだよ」
それからです。いくらか自信をもって伝えられるようになったのは。
――あなたは本来仏と同じなんだ。だからそれに気づいていく智恵と慈悲を持ってください。私もできる限りあなたと同じようにがんばっていきますから、この教えを拠り所にしていきましょう――って。

本当は引導というのは、師匠が弟子に渡すんですが、これじゃ師匠っぽくない?
でもいいんです。私は仏道修行の仲間だと思ってるから。
私にとって引導は"渡してやる!"ものではなく、"渡させてもらう"ものです。

次回はBDさんからのリクエスト"ラッキーナンバー7"。
三回忌の後はどうして七回忌なの?の質問にお答えする形でまいります。

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