菅野秀浩のちょっといい話

第58話 曼荼羅Ⅱ

曼荼羅Ⅱ 挿絵

 マンダラは、密教辞典によると「輪円具足・極無比味・無過上味・聚集・発生・壇・道場」とされ、欠けることの無い、すべてに円満な成就された境地(輪円具足)をいい、或いは五味(乳・酪・生酥・熟酥・醍醐)の内の醍醐で、比較する味がない最も上味のもの(極無比味・無過上味)であり、菩提を得るための不可欠な要素である計り知れない三密(身・口・意)の発生するところであり、全ての仏果の徳を集めた<聚集>もの、又は悟りを得、全てを成就する修業の場所(壇・道場)でもあるとされている。

 即ち、全ての自然の法則の根源として存在し、その姿も宏大にして、欠けることの無い円満なものであり、他に比較すべきものが無い大宇宙そのものでもあり、密教では大日如来そのものの姿の具現である。

 四種曼荼羅があり、又辞書に頼るが、機会をみて真言宗のお寺で、実物を参拝願いたい。

大曼荼羅
様々な色彩により、諸尊を彩画し、形像にして仏徳を表して大画面に構成したもの
三味耶曼荼羅
諸尊の持ち物や三味耶形(三形と略)で仏徳を表したもの
法(種字)曼荼羅
仏菩薩の徳を表示した梵字の一字(種字=一字で仏の教えや徳をもって表したもの)で描かれたもの
羯磨曼荼羅
木造、鋳造、朔造などで立体的に構成されたもの
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