長谷川正徳のちょっといい話

第38話 平均余命の計算法

平均余命の計算法 挿絵

 自分の歳だとあと何年生きられるか?
 これは高齢者ならずとも、誰でも大なり小なり気になる事柄である。

 大分医大公衆衛生医学教室の島岡章先生がこれについて、興味ある発表をされた。
平均寿命というのは零歳児の平均余命、つまり零歳の人があと何年生きられるのかの数値を示すものであるが、毎年厚生省によって、6月頃、平均余命表として発表されている。
ところでこの厚生省発表の時を待つまでもなく、誰でも簡単に自分の余命を計算することができるというのがこの島岡方式なのである。

 先生の考案した計算式を当てはめられるのは65歳以上で「110から自分の年齢を引き、それを二乗し、百で割る」というもの。
男性は余命が短いため、さらに0.8を掛ける。

たとえば70歳の女性では、110から70を引いた40を二乗すると、1600。
百で割った16年が平均余命。

同じ70歳の男性では0.8掛けた12.8年が平均余命となる。
式で求めた値と厚生省発表の平均余命は、最高でも0.4歳の差しかないというのであるから、かなり正確といえる。

 しかしこれはあくまで統計上の平均の値のこと。
大切なことは私自身のいのちは死とともにある生であるということも、もともと死であるべきものが、今日も不思議にもまた生き得ているということ、ありがいいのちを今日もいただいたという仏法の要(かなめ)に立った感謝を忘れてはならないということである。

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