名取芳彦のちょっといい話
法話図書館TOPに戻る
名取芳彦のちょっといい話TOPに戻る
名取芳彦先生のプロフィール
法話のお題募集!
名取芳彦先生のバックナンバー
名取先生にメールを出そう
第19話  わたし、えらい?


挿し絵    前回の父の発言と同じ頃――今年中学二年の娘が3歳のことです。
   ある日の夕飯、まだ小さかった娘が食べ終わったのは、いつものように、家族の中で最後でした。家内はすでに洗い物を開始。私はお茶を飲みながら、娘の行動をウォッチングしてました。
   彼女は食べ終わって、小さな手を合わせて「ごちそうさま」と言うと、自分の食器を重ねて、流しに運びました。次に、食卓に残っていたお兄ちゃん達の分もふくめて、空いた食器を器用に重ねて、家内のところに運びました。そして家内を見上げていいました。
「おかあさん、あたし、えらい?」
その、間髪いれず返された返事を聞いて、母親ってたいしたものだと思いました。
「えらいわね。ありがとう」だって。
私にはこういうことはなかなか言えません。私なら「褒められたくてするんなら、やらなくたっていいよ」くらいの、子供心を傷つけることを平気で言ってしまいそうでした。

   人には誰でも「四つの願い」があると言われています。
  1. ほめられたい
  2. 認められたい
  3. 愛されたい(注意が向いていること)
  4. 役にたちたい
です。このうち一つでも叶えば人は自殺しないと言われています。3歳の娘と69歳の大僧正も(実は私も)、これで生きているんだなと思います。
   でも、ここに問題が……

   次回は「四つのお願い」の巻です。
前のお話
次のお話


Copyright © 2003 Japan Temple VAN Inc. All rights reserved.