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第30話  梅雨


挿し絵    世の中は、点のあるなしで大違い。ハケに毛があり、ハゲに毛がなし……私もこの間まで頭だったところがおでこになりました。他にも点々のあるなしで、気分が違うものに、梅雨時の形容があります。ジトジトとシトシト……。ねっ!違うでしょう。

   童謡の♪雨、雨、ふれ、ふれ。母さんが、蛇の目でお迎え嬉しいな♪の女の子(男の子?)は、雨の日が待ち遠しかったんです。それがいつの間にか、年を重ねると、雨の日がうっとうしくて、嫌な日に変わってきちゃうんですよね。

   去年のことですが、テレビで傘職人のレポート番組がありました。二代目のご主人が初代だったお父さんの言葉としてこんなことを言ってました。

「買ってくれた人が、雨の日が楽しくなるような傘を作りたい」。

いい言葉ですよね。素敵な傘があれば、雨の日が嫌でなくなりますよ。でも、この話をしたら、多くの女性が「お気に入りの傘って、すぐになくすから……」だって。
ちょっと待ってくださいよ。なくしたらなくしたで「これで、ちがった可愛い傘を買える」って喜べばいいじゃないですか。

   雨がふっていてもそれを楽しんじゃう。曇った空を見ないで、その上に輝いているはずのお日さまを、心の目(想像力)で見られたらいいですよね。
「名取さん。アンタ、考えがアメーよ」なんて言わないで……。

次回は、サトウハチロウさんの詩(たぶん本には出ていません)から「雨の音」について。雨の日がもっと楽しくなりますよ。
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