菅野秀浩のちょっといい話

第46話 米国多発テロ

米国多発テロ 挿絵

 9月11日午前8時45分(現地時間)、丁度午後の10時前後のテレビのニュースを眺めていると、世界貿易センタービルが噴煙をあげる光景が映り始めた。手元のリモコンに触れて、映画に画面が変わったと思った。

実はあってはならない大型飛行機の、ビル衝突の大事故の惨事であった。

 惨劇を目の当たりにして、画面に食い入ると、続いて二棟目のビルにも旅客機が吸い込まれるように接近し、激突し炎と共に燃え、爆発した。さらに約一時間後同じ画面に、遠くワシントンのペンタゴンへの激突、その30分後にはペンシルバニアのピッツバーグ郊外へと、まさに眼を覆う衝撃の大惨事の映像は、世界にリアルタイムに発信され、テロという悪行と悲劇だと知れたとき、不謹慎な表現だが、震撼といいしれぬ感嘆を覚えた。

 行方不明者六千余名、確認される死者も日に日に増えて行く。

 犠牲になられた方々に、心から冥福を捧げます。誠に人の命の尊厳を踏みにじる蛮行は慚愧に耐えない。

 多発テロと表明後直ちに、ブッシュ米国大統領はテレビを通じて全米国民に団結を訴え、「新しい種類の戦争だ」とし、軍事行動による報復の対決姿勢を示した。

 背景には、宗教が見え隠れする。

 軍事報復が、愈々始まった。報復に報復を重ねて、世界平和はあるのだろうか。

 尊い命を、平和への踏み台としてはならない。

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