菅野秀浩のちょっといい話

第72話 密教の仏4 普賢菩薩Ⅱ

密教の仏4 普賢菩薩Ⅱ 挿絵

 普賢菩薩は、四七日忌(亡くなって二十八日目に修する)の本尊である。

 精霊は、先に釈迦如来によって、正しい修行の道を示され、文殊菩薩の道場に入り、成仏に至る知慧を学び、愈々名前の示すように、普く賢い(全ての徳と吉祥を具備した)ものに成就するため、以下の普賢菩薩十大誓願を立て、厳しい修行に勤しむ事になる。

  1. 様々な仏様を敬い、五体投地三礼(身体を地に投げ打つように全身で三度礼拝する)をして、礼拝行を怠らない。
  2. 如来(覚者)を褒め称え、唱名する。
  3. 如来に供物(六種の供養.浄水・塗香・生花・薫香・飯食・灯明)を惜しまず、欠かさず供養する。
  4. 過去の罪科を告白し、悔い改める。
  5. 為された善行と功徳を共に悦ぶ。
  6. 常に機会あるごとの仏の説法を求める。
  7. いつの世も仏の正道が続く事を願う。
  8. いかなる時も、仏の説法を聞き、仏道を学ぶことを誓う。
  9. 自分を取り巻く全てを師と敬う。
  10. 自分を取り巻く全てと功徳を分かち合う。

 更に、長寿延命の仏としても汎く信仰され、普賢延命菩薩として礼拝される。

 殊に密教では、この普賢菩薩の浄菩提(成仏の境地)を求める心の行願は、極めて重視され、真言伝承八祖の第ニ祖一金剛薩埵と同格視され、大日如来の説法の全てを受け継ぐ、修行者として位置付けされる。

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