ちょっといい話

第102話 さようなら、またね……のあと

挿し絵  密蔵院では、アナウンサーの村上正行さんをむかえて『話の寺子屋』が月一回開かれます。その会で、先月すごくショックなことがあったので、今回はそれをご紹介します。

 だいたい勉強会とか研修会なんかは、出席しただけで“できるような気”になってしまうものですが、そこで終わっては、結局勉強する前と何も変わっていないんです。
村上さんは言います。

「友達なんかと別れる時に、さようなら、またねって言うでしょう。でもそこで終わっちゃダメなんですよ。そのあとに、きょうは楽しかったとか、気分がすっかり良くなったよっていう言葉が加わらなきゃ。その日その人と一緒にいたんだから、それによって自分はどう思ったか言えるでしょ。言えないようじゃ、時間を無駄に過ごしたことになっちゃう」

 この話では何度も聞いているし、ホントだなと思っていました。でも、先月気がついたのです。私は人と別れる時“またね”としか言えてない。結局のところ、別れの挨拶をする時には、どうやって帰ろうかとか、帰ったら何しようと、自分のことかしか考えてないじゃん!

 想像してみてください。さようならの後に“きょうは本当に君といて楽しかった”“おかげで元気になったよ”“とても勉強になりました”なんて言われたら、いい余韻が残りますよ。
人と時間を過ごした時、その日の感想をまとめる作業は、おかげでどうにか滑りだしました。今日はわざわざお読みいただいて、ありがとうございました。m(^ー^)m

 さて次回は、昨年本堂の天井裏にいた瀕死の鳩のピィちゃん顛末記を自叙伝風に仕上げてみます。