ちょっといい話

第153話 拡大と縮小

挿し絵  さて、今回は沖縄から、ゆうさんのリクエスト。心がみだれた時の対処法についてです。

 まず、心がみだれた状態を早く平穏な気持にしたいというゆうさんに拍手です。心に波風がたっていることに気がつくことは、なかなか出来ない人が多いもの。しかし、そのままでは、冷静な判断ができなくなってしまいますからね。
 そこで、些細なことを(後から考えれば多くのことは些細なんですけどね)気にしなくなる方法をご紹介しましょう。
  1. まず座ります(椅子でも床でも可)。
    軽く目を閉じて、すごくゆっくり10回、深呼吸(呼吸は吐き出すことを意識すると無理なくたくさん空気を吸えます)。
  2. 夜空に輝く満月をイメージします。
  3. その月を胸の中に移動させるイメージをします(左右のおっぱいの中間あたり)。
  4. その月を、自分の身体がすっぼり入るくらいまで、徐々に大きくしていきます(風船を膨らます感じ)。この“自分と同じ大きさ”のステップが大切。ここから先は月と一緒に自分も大きくなっていくイメージをしていきます。
  5. さらに大きくして、自分のいる部屋の大きさの月⇒家の大きさ⇒県(ゆうさんなら沖縄)⇒日本列島の大きさまで膨張させていきます。
  6. そこで、もっともっと大きく。地球をすっぽり包む月⇒太陽系と同じ大きさの月⇒銀河系を飲み込み⇒宇宙と同じ大きさまで、拡大させていきます。
  7. ここで、宇宙大まで拡大した光り輝く月とそれと一体になっている自分を意識して、30秒でもいいから、その雰囲気にひたってしまいます。
  8. さて今度は、宇宙を飲み込んだまま、月を小さくしていきます。銀河系大⇒太陽系大⇒地球大⇒日本列島大⇒家⇒部屋⇒自分をすっぽり包む大きさまで。ここで、宇宙全体が自分の中に収納されていることをイメージします。
  9. そして、月をさらに小さくして胸の中にコンパクトに納めたあと、ふたたびもとの夜空へもどしてやってから、目を開けます。
 全体でかかる時間は2分から3分でしょうか。自分の中に宇宙を内蔵している感覚は、気分をとても楽にしてくれると思いますよ。心が乱れた時はもちろん、日常でも使える方法です。仏教に伝わる瞑想法の一つ、「月輪観(がちりんかん)」のご紹介でございました。

 さて、次回は心を落ち着けた結果わかった25年ほど前のお話を書きます。題して"俺って温かいいんだ"。ちょうど今頃の時期、夕方の釣鐘突きでの若き日の実体験談でございます。