ちょっといい話

第189話 心の太陽あらわそう

挿し絵
どんなに近くでも 見えないものがある

まぶたの先のまつ毛 命をつなぐ空気

すぎて行く時間 痛み苦しむ心
 これは、私の友だち(と言ったら本人は嫌がるかもしれませんが)であり、二胡奏者でもあり、シンガー・ソング・ライターでもある遠藤芳晴(えんどう よしはる)さんの歌♪心の太陽あらわそう♪の一節です。芳晴さんはこれらの歌詞にとても優しいメロディーをつけて、奥深いあたたかな声で歌います。
 私も聲明ライブをやっているライブハウス「チピー」に、月に一回出演しているのが芳晴さん。この歌を聞いた時、詩人が詩にするとこういう表現になるのか……と感心したのをおぼえています。
 チンケな坊さん(私のこと)が言うと、
雲が、何事にもとらわれるなと説法している。鐘の音が諸行無常を説いている。草や木にも仏の性質が宿っている――な〜んて、よくわからん表現になります。
 それが芳晴さんにかかると、
どんなに近くでも 聞けないものがある

アリの愛の歌や 花の開く音

星の落ちる音 叫び震える心
となります。

 私は目に見える人間関係にうんざりすると、また、どこから聞こえてくる人の悪口が耳に入ってせつなくなると、この歌を聞いて心を和ませます。目に見える、耳に聞こえる世界はごくごく一部なんだと再確認できるのです。そうすると、まるで雲が払われるようです。自分の心にある太陽が出てくるようで、元気になります。
空にのぼる太陽もまた

君と僕の中にあること

知ればまさに

見えないものが見えてくるよ

一人じゃないこと

感じているなら

何をしてもいいから

心の太陽あらわそうよ
機会があったら、是非お聞きください。芳晴さんのホームページでCDが購入できます。

 さて、次回は「最近どうかしちゃったんじゃない?」と言われるほど浪花節口調になってしまったことから端を発したお話。“ユーモアで包んじゃえ!”でいきます。どちらさまも次回まで、お控えなすっておくんなさい。