菅野秀浩のちょっといい話

第43話 理解できない「日本人」の変

理解できない「日本人」の変 挿絵

 昨年の夏から常勤職を得て、朝食をかっ込み、自転車に飛び乗り(自坊からJRの駅までの道のりには私鉄の踏切を2回渡るため)回り路で駅に捷り、ラッシュに揺られている。

 家を飛び出した瞬間から「何だ!?」と、腹が立ち始める。

 小学生が危険な車道を歩く、歩道いっぱいに駐車する車。横一列で怖い者無し女子高生の集団。絶対に避けないおば様の立ち話。自分の大事な(?)荷物には無神経で、背負ったり、脇に抱える、網棚に乗せない迷惑千万の大包み。相変わらずの携帯好き。

 注意にも「個人の権利」と言うわけか?

 傍らの百科事典によれば、個人主義とは『フランス革命以後に用いられた語で、個々の人間存在はそれ自体何事にも勝る価値をもつと云うことと、自己決定ないしは自律は、個人が周囲に依存しないで一人で熟慮し意思決定を行なうという、人間の尊重と自己決定二つの要素の価値観をもつ主義』を云うのであって、『自己の欲望の充足や利益の追求を専ら年頭において行動し、それが他者や社会一般に及ぼす迷惑を考慮に入れない』のは、自分勝手な利己主義に過ぎない。

 でも解せないのは、回りの目や誰かがするとすぐ真似て、消える自己主張だ。

 エスカレーターの、滑稽な程に守っている、危険な右側(関西は左側)の駆け登り降り。

 こういう時こそ、世論を無視し、他も気にせず、権利を主張して居直って欲しい。

前の法話
菅野秀浩のちょっといい話 法話一覧に戻る
法話図書館トップに戻る